貧乏旅行
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訪問日:2024/08/07
入場する。拝観料500円を払う。その際に受付の人から「最初は石段を上がって薬師堂に行き、次に庭園を見るように」と言われた。では、石段を上ろう。
私がおにぎりを食べている間に1人の20から30代くらいの男性が入って行ったが、すれ違うことなく、私1人の貸し切り状態だ。山門に着く。浮世絵らしき絵が添付されている説明書きが現れた。どうやら先ほどの柏尾古戦上跡と同じ戦いがちょうどここ大善寺付近でも繰り広げられていたようだ。しかし、すぐに戦いの決着はついたみたいだ。
おかげで石段頂上にある薬師堂は戦火を逃れ、国宝として残っている。昔の武家屋敷にあるような茅葺きではない、何かの植物を加工してできた焦げ茶色の屋根。いい色だ。
中を覗くと誰もいない。一旦外に出る。ここは高台となっており、遠くに甲府の町らしきものが見える。
もう一度薬師堂内を見てみる。奥には仏像らしきものが並ぶ。確かこの仏像も重要文化財であったはずだ。見逃すところだったよ。
「どうぞお入りください。」 不意に声が聞こえた。声の方へ寄っていくと境内を管理する係の人が私を招き入れた。私1人のためだけに解説をしてくれた。マイクの音がこもっているのと大善寺に関する知識が欠乏していることもあって聞き取るのに苦労したが、せっかくの機会だ。頑張って耳を傾ける。それによると、大善寺の屋根は植物の茎を束ねてできたこと、中央にある仏像は限られた日にしか開かないということらしい。解説終了後、仏像に近づきじっくりと観察。いや、仏像というよりは金剛力士像のような立派な顔つきをもつ。立派な武具もつけ、勇ましい漢達の集まりだ。12体あるこの像には、十二支に倣い順に名がつく。
薬師堂の外に出て、解説を読んでみる。小学校の歴史にも登場する僧侶、行基が夢の中でぶどうを持っていたことから、この辺りでぶどうの栽培が始められ、ぶどう寺としてこの寺も作られたらしい。ここでもやはりブドウに関連した寺ということだ。
石段を降りる。日本庭園は古い家屋の中から見る。終始拝観する人には出会わなかったが、ちょうど観光バスが到着しバスの添乗員と思しき人がやってきた。静かなうちに私は退散しよう。